KTCがミラーツールを進化させて作り上げたNEPROS(ネプロス)は、決して高価なだけのツールじゃないのだ。
NEPROS(ネプロス)。
国産工具メーカーの老舗であるKTCが満を持してリリースした高級ツールブランドです。KTCは
- 世界中の競合他社製品を徹底的に検証
- 素材、設計、製造技術、工作精度など、すべてにおいて他社製品を上回る
- なおかつ自分たちの理想の形を追い求める
- 常に世界一であり続けるために絶え間なく進化し続ける
ことを目標に、このブランドを世に出しました。
KTCがそのサイトで「他のハンドツールでは味わえない深い満足感」と紹介するほどの自信作ですが、さてさてその実力はいかに?
メガネ部は座繰りのないフラットタイプ、本家はこっちだ。
Deenと同様に(笑)、メガネ部は座繰りのないフラットタイプとなっています。
2種、3種のナットやバイクのフロントフォークのトップキャップのようにかみ合わせの薄い六角ナットを回すとき、このフラットなメガネ部は素晴らしい威力を発揮します。メンテナンス自慢が乗っているバイクのフォークキャップをよーくご確認ください、結構ナット部の角が舐めて丸くなってますよ(当然私のマシンもだ)・・・恐らく、そのメンテ自慢はネプロス(かスナップオン)を使ってないんです(スナップオンもネプロスほどではないですがかなりフラットです)。
いまどき思想は珍しいものではありませんが、12ポイントのメガネ部は曲線で構成されており(Nパワーフィットというそうです)、ナットとメガネ部が線ではなく面で当たるようになっています。
ネプロスの評判として
- ナット・ボルトに傷をつけない
というものがありますが、これはこのNパワーフィット形状のおかげですね。
メガネ部の幅はなんと14.90mm。そっくりサンのDeenは16.50mm。これが、NEPROS(ネプロスです)。
左がDeen。右がネプロス。この違いを大きいとみるか、小さいとみるか。
さらに微妙な差が、メガネ部の立ち上がり。今度はスナップオンとネプロスを比較してみましょう。双方ともに立ち上がり角度は15度。ところが・・・
左がネプロス。右がスナップオン。お分かりでしょうか?
スナップオンは恐らく「0度」で鍛造したブランクを「曲げて」、15度の立ち上がりを実現していますが、ネプロスは鍛造の時点ですでに「15度の立ち上がり」が作られています。ちなみに「曲げ」で立ち上がりを実現しているのはDeenも同様。ネプロスと同一の構成となっているのはTONE、HAZET、そしてKTC。
この違いも機能上は全く際はありません。が、私はその「こだわり」に価値観を感じます。実際、曲がった柄ってかっこよくないんだもの。
やや先細り、ボルト・ナットへのアプローチを優先したオープンエンド。
とにかく光るんですこのネプロス(さすが、ミラーツールの子孫)。
オープンエンドはスナップオンと比較してやや先細り。新やり形形状、というそうです。この「わずかな差」が、威力を発揮することもあるかもしれません(まあ最近のバイクや車をいじる限りでは、そんな差はないと思いますが)。
オープンエンド部の開口部幅は意外にも広めの10.30mm。作業性を優先したということでしょうか。ちなみにスナップオンの開口部幅も10.30mmです。
・・・実は意外にもダイソーも10.35mmと比較的近しい値だったりする。
ネプロスは握りにも個性と主張あり。
握りもネプロスは独特の形状です。厚みこそDeen、スナップオンと全く同一の3.85mm(なんで一緒なんでしょう)なのですが、特徴的なのはその端面。
スナップオンは円弧形状(面がない)端面で手への食い込みを防止しているのに対し、ネプロスはきっちりと面(当然、角は適度に丸めてあります)が構成されています。
その幅3.00mm。
3.85mmの厚みのうち3.00mmの端面を残しているのですから、見た目はかなり(まあ、興味のないヒトからみたら些細なんでしょうケド)個性的です。
これは「面で圧力を受ける」ことを目的とした形状でしょう。見た目の美しさに隠れがちですが、意外とコイツ、武骨なんです。
しかししつこいようですがこのツールはとにかく光る、撮影しにくいったらありゃしない。
どこもかしこも、実はどれにも似ていない。形状、仕上げ、個性、ステイタス、すべて最高!(価格も)
結論を言えば、どこに出しても誰に見られても恥ずかしくない、超一流のツールです。断言しちゃいます。
メーカー曰く「世界中の競合他社製品を徹底的に検証」した結果、「世界中の競合他社製品とは似ていない、極めて個性的」なツールができたわけです。
- グラインダー痕など当然皆無、バレル研磨で角がダレルこともない精密な形状。
- 撮影時になにか写り込んでないか心配になるくらいの美しく正確なめっき。
- 実用性にあふれたメガネ部、オープンエンド部。
そして、
- おいそれとは買えない価格(!)
そうなんです。デメリット・・・といっていいのだろうか、その値段はさすがに高い。そこさえ踏み切れれば、否、高いほうがイイ(自慢できるしね、使ってて気分もいいでしょうし)と考えるアナタには、個人的にスナップオンを超えるコンビネーションレンチだと思います。
その価格は?10㎜コンビネーションレンチの場合。
定価 | 3,700円前後 |
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実売価格 | 3,466円前後 |
流石のネプロス、値段も超一流。10㎜のコンビネーション1本でこの価格。セットでそろえたら・・・でも、フラットなメガネ部の底面は、大径の薄ナットでこそ威力を発揮するわけで・・・(そこはDeenを使えばいいのか?)
使ってみると・・・
(執筆中です、お待ちください)
お勧め度:あなたがもしリッチマンならスパナ類はネプロスで揃えちゃえ!
どうしても形状が似ているため、Deenと比較してしまいます。
- 「ユーザーの意見を取り入れた」結果、どこもかしこも何かにそっくりになったDeen。
対して
- 「競合他社製品を徹底的に検証した」結果、個性を手に入れたネプロス。
その差が、存在感、美しさ、そして価格に反映された・・・とみるのは短絡的でしょうか。実際に各社のコンビネーションを購入して触って眺めて舐めまわして・・・はいませんが、ネプロスは別格です。その理由はメッキの美しさや形状の正確さかもしれませんが、私はツールからにじみでる「技術者の自信」だと判断しています。
ただ、そんなオカルトめいた話は実際にねじを回す際にはまったくカンケーないわけでしで、やはりネプロスは「リッチマンのためのツール」と私は言ってしまいます。
- 工具に費やせるお金を持っている、経済的なリッチマン。
- たまの週末を優雅に愛車いじりで過ごせる余裕を持っている、精神的なリッチマン。
もしあなたがいずれかに属するなら、ネプロスのコンビネーションレンチを購入する価値は、値段以上にあります。どうせならフルセットで手に入れたいですね!
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nepros (ネプロス) コンビネーションレンチセット (12本組) NTMS212
5mm、7mm、8mm、10mm、12mm、13mm、14mm、17mm、19mm、21mm、22mm、24mmの12本組。価格は張るが、結局工具って一生使えるんですよね。本気でセット購入しようか迷っています。
nepros (ネプロス) コンビネーションレンチセット (6本組) NTMS206
6本組もあります~。このセットと、大きいサイズはDeenで揃えてもいいかもしれません(遠目にはわかるまい)。
ネプロス ツールセット [70点組] NTX8701BKA
がつーんとコレ、行っちゃいます?しめて25万円ナリ。25年は使えると思います。1年1万円、てことは月あたり1,000円切るってことよ!