SIGNET。偉大なる平凡。秀でた箇所は何もないが、何も不足なし。

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本拠地はカナダ、製造拠点は台湾のSIGNET。あえていうなら「偉大なる平凡」。

SIGNET。

1990年創業、カナダに本拠地を構える総合工具メーカーです。製造拠点は主に台湾、パートナーシップに力を入れている、と公式サイトにあるとおり恐らく世界各地のローコスト生産企業と手を組んで、比較的安い価格帯域のツールを多くラインナップしています。

SIGNETといえばギアレンチ、と思い浮かべる人も多いでしょう（おっさん？）。

特徴は、一言でいえば「偉大なる平凡」。

例えばここでご紹介するコンビネーションレンチ、形状、機能的には特徴的なところはありません。しかし、その仕上げを見れば、そしてその低価格（KTC普及品より安い）を考えれば存在そのものが存在意義、といえるツールです。

メガネ部は特徴のない、言い換えれば標準的な座繰りのある形状。

筆者はこの座繰りが嫌いではありますが（筆者イチオシのメガネ部形状はネプロスのフラットな形状です）、かといって使いにくいわけではなく当たり前の形状です。

当たり前の工具、といえばKTC普及品。比較してみると座繰りの角度、大きさもほぼ同じ。

しかしKTC普及品を上回るのがその仕上げ。

極めて美しいバレル研磨とメッキで仕上げられており、座繰り部の斜面にまでキッチリと鏡面加工がなされています。KTC普及品で目立つわっか状の盛り上がりもなく（こういう凹凸が作業の邪魔になる）、価格で200円以上もKTCより安いのにこの状態は立派。

オープンエンドも光りまくってます。

ホント、メッキだけ見たらネプロスやスナップオンにも引けは取りません。ちなみに開口部の幅もネプロスやスナップオンと同じ、10.30mm。

形状はちょっと特徴的で、ひじょうに丸っこい形になっています。

左からKTC普及品、ネプロス、SIGNET。

KTC普及品とネプロスがそっくり（当たり前か）でシャープな顎形状なのに対し、SIGNETは顎が若干太く（特に短い方の顎が太い）、丸い形状となっています。

これは左からKTC普及品、ネプロス、SIGNET、Deen、スナップオンの比較。

もっさり形状のDeenよりもさらにSIGNETはもっさり、ですね。

握りはネプロスやスナップオンのような鏡面メッキ仕上げ。幅はなんと、今回比較購入したコンビネーションレンチ中もっとも細い、9.30mm・・・と思っていたら、スタビレーが9㎜でさらに細かった。2番目に細い柄です。

丸っこいオープンエンド部と合わせて、なかなかセクシーなルックス。厚みはその分4mmと若干厚めですがバランスは良好、手が小さい方にはスパッとなじむかもしれません。

仕上げも上々、恐らく実用上まったく不満がでることはないであろうSIGNET。そしてチープな価格設定。

そう、「偉大なる平凡」です。が、似たような工具にDeenがいます。

左からSIGNET、Deen。

SIGNETとDeenの違いはその大きさ、ゴツさ。

先にも書いた通り、SIGNETは細い柄で小さな手にもフィットする形状。そしてDeenな長めの全長とSIGNETよりは太いがっちりした柄。

2つの「平凡」のどちらを取るか？

アナタの手の大きさで決めちゃいましょう、手が大きければDeen、小さければSIGNET！

それくらいの違いしかありません。

とまあそれは冗談としても、この価格（10㎜コンビネーションで500円台）でこの品質は、「初めての本格工具」として十分選択肢に入るツールです。

実売価格	512円（レートにより変化あり）

レートにより500円台～600円台と差はありますが、この価格は驚異的。これより安いコンビネーションレンチはダイソー、アストロプロダクツしかないんですから。

（執筆中です、お待ちください）

見た目も美しく、精度も問題なし。価格は安くその細い柄もまた魅力的。

車載工具じゃなくて「ちゃんとした工具」が欲しいなら、十分選択肢になりうるツールメーカーです。SIGNETは総合パーツメーカーですからペンチやニッパーといった握りものやラチェットレンチ類も充実しており（それぞれ安いです）、SIGNETであなたの工具箱をそろえることだって可能です。

価格的にはアストロプロダクツには負けていますが各部の造りはSIGNETのほうが上。

Deenと並んで「初めての工具」としては最適の一品です。

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