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ファクトリーギアのオリジナルブランド、Deen。

 

Deen。

 

工具ショップであるファクトリーギアが企画した、「ユーザーが考えた物を、メーカーが形にする」というポリシーで作られたブランドです。

 

2000年に発売され始めた、比較的新しいブランドであり、工具メーカーではなく工具ショップがユーザーの声に答える形で企画、製品化しているとのこと。

 

ニューフェースである利点を生かし、他ブランドを徹底的に研究していると思われるその工具はよく言えば「いいとこ取り」。悪く言えば・・・「どこかがどこかにそっくり」と言えてしまう。筆者の個人的感想ですが。


メガネ部は座繰りのないフラットタイプ。

 

メガネ部は特徴的で、座繰りのないフラットタイプとなっています。これが効きます!

 

一般的なメガネ部は、山の部分に座繰り(すり鉢状のへこみ)が付けられており、ボルト・ナットにメガネ部をはめ込む際の容易性を上げています。例えばこれ。

 

 

TONEのメガネ部。斜め45度に、すり鉢状の座繰りがあることがわかるでしょうか。

 

ボルト・ナットへのアプローチが容易なのはよいのですが、舐めかかったボルト・ナットを緩める際にこの座繰りが悪さをして工具が滑ることが多々あります。特に古いバイクをいじる方にとっては嬉しくない現象です。座繰りのないフラットなメガネ部の端面はここでボルト・ナットをがっちりとホールドしますから、そのリスクは確実に少ないのです。

 

が・・・

 

この形状、ネプロスにそっくりです。

 

 

・・・よくネプロスを研究したのでしょう・・・。

 

ちなみにメガネ部の幅は16.50mm。


ネプロスよりタイトに仕上げられたオープンエンド。

 

美しい仕上げのオープンエンド。よくありがちなネック部の整形時のグラインダー痕などはなく、価格を考えたら信じられないくらいの仕上げ。

 

口幅は10.30mm。ネプロスと同サイズに仕上げられています。まあ、この口幅は10㎜に近ければいいというものでもなく(タイトすぎるとボルトにはめ合わせるときに苦労する、ゆがんでいたりさびていたりするボルトもあるわけですから)、工具メーカーの思想次第といったところでしょう。

 

ふり幅は一般的な15度。

 

形状も一般的・・・といいますか、スナップオンにそっくりです。

 

 

左からネプロス、Deen、スナップオン。

 

ネプロスはややシャープな尖った形状であるのに対し、スナップオンはやや丸みのある形状です。Deenは・・・見ての通り。よくスナップオンを研究した成果か?


握りは微妙にオリジナリティあり!薄いです。

 

握りはネプロスやスナップオンのような鏡面メッキ仕上げ。幅はスナップオンと全く同じ。

 

ですが、厚みにオリジナリティあり、薄いんです。

 

 

上からネプロス、Deen、スナップオン。

 

ネプロスは恐らくトルクを掛けたときの手への食い込みを考慮して意図的に厚く(といっても相当なスリムさです)かつ端面を幅広く取っています。スナップオンは大き目のRで角を取ったような形状。そしでDeenは角を大き目に取りつつ、端面をしっかり残している形状。なんというか、ネプロスとスナップオンのいいとこどりというか・・・。

 

ちなみに全長は171.0mm。


総合的には、いい工具です。

仕上げも上々、各部も有名一流工具のいいとこどりと来ては、「使う」ことを考えれば極めてよくできたコンビネーションレンチです。

 

恐らく実用上まったく不満がでることはない、はずです。値段も手ごろ、といいますか格安といえます。あとは使うあなたが気に入るか、だけ。

 

でも、私はここだけは許せない。なぜサイズ表示までスナップオンそっくりにしてしまうのか・・・

 

 

これがオリジナリティあるデザインだったら、好きになれたのに。

その価格は?10㎜コンビネーションレンチの場合。

実売価格 886円

 

といろいろいったものの、この価格は驚異的であり、素晴らしく良心的です。なにしろネプロスの1/4であり、スナップオンの1/5なのですから。

使ってみると・・・

(執筆中です、お待ちください)

お勧め度:「なにかにそっくり」が気にならないなら、かなりお勧め!

「ユーザーが考えた物を、メーカーが形にする」というポリシーが、よくも悪くもストレートに反映されているコンビネーションレンチです。

 

世界中の一流工具メーカーのいいところをどん欲に集め、ルックスもチープさを全く漂わせないその仕上げは、10㎜のコンビネーションで900円を切るという超良心的価格と相まって批判されるべき点は全くありません。

 

手に持った質感もきわめて良好。ホームセンターのセット商品ではない、本当に使える工具が欲しい・・・そんな欲求を初めて持った方が手にするには最適といえるコンビネーションレンチです。

 

あとは、あなたが「各部がなにかにそっくり」なことを気にしなければ、価格的にもスペック的にもガンガン使える信頼できる相棒になるでしょう。

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意外と(失礼)ラインナップが広いDeen。こんな大きなオフセットのメガネも存在します。こういうのをハイエンドツール(スナとかネプとか)で揃えるのは難儀ですが、こういう時はDeen、かな。

 

その他いろいろ

 

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